こんにちは。おすぎです。
今回はモーニングスターを取り上げました。最近はビットコインの最高値更新等で仮想通貨が再び盛り上がりを見せていますが、モーニングスターはなんと株主優待で仮想通貨がもらえる銘柄なのです!ちなみにもらえる仮想通貨はXRP(リップル)です。
いつかは株主優待だけで億り人になる日も!?なんて。。
1. モーニングスターの事業内容
モーニングスターはもともとアメリカのモーニングスター,Inc.とソフトバンクのジョイントベンチャーとして発足しました。その後、SBIホールディングス(買収時の商号はソフトバンク・インベストメント)の傘下となり、現在もSBIホールディングスの傘下企業となっています。
そんなモーニングスターの事業は、大きく以下の2つとなります。
・ファイナンシャルサービス事業
・アセットマネジメント事業
ファイナンシャルサービス事業は、さらにデータ・ソリューションとメディア・ソリューションに大別することができます。それぞれみていきましょう。
データ・ソリューションは、投資関連のアプリを独自開発し、それらを販売することで収益をあげる損益モデルとなります。特に、企業向けタブレットアプリ「Wealth Advisor」の売上は主な収益の1つとなっています。上記アプリを通じたファンドデータやファンドレポートの提供を行い、資産運用アドバイスツールとして価値を提供しています。また、個人向けにも「株式新聞」というサービスを提供しています。株式新聞は無料で読めるコンテンツもありますが、有料会員になるとより多くのコンテンツをみることができるようになります。こちらはアプリ課金や広告収入が主な売上になっていることが想像されます。データ・ソリューションはいかにアプリの利用者を増やすか、が売上増の一番の要因になりますね。
続いてメディア・ソリューションです。メディア・ソリューションは、Web広告や資産運用セミナー、Webコンサルティングなどを行っています。次章で出てきますが、前年度比で大きく売上を落としたのがこのセグメントになります。セミナーは開催中止や参加者制限などの影響を強く受けたことが売上減の要因と想像されます。コロナの影響はもう暫く続くことを考えると、早急に何かしらの対策を考える必要のあるセグメントと思われますね。
最後はアセットマネジメント事業です。こちらは文字通り、投資信託の設定、募集、運用等の投資運用を行っており、グループ全体の運用残高は2兆円を突破しています。また、自らの運用だけでなく、投資助言サービスも同時にアセットマネジメント事業内で行っているようです。
上記3カテゴリを主なビジネスセグメントとして事業を行っているモーニングスターですが、事業別の売上内訳は以下の通りとなっています。
アセットマネジメント事業が売上構成比率の50%以上を占める形となっています。ここ数年ファイナンシャルサービス事業の売上がほぼ横ばいの中、順調にグループ運用資産を増やしているアセットマネジメント事業がどんどん存在感を強めてきています。
事業内容がイメージできたところでモーニングスターの21年3月期の第三四半期決算を次章でみてみましょう。
2. 21年3月期 第二四半期決算 実績について
下図は21年3月期の第三四半期累計(4月~12月の9ヶ月間)実績です。※連結業績資料は単位が「千円」となっていますのでご注意ください
21年3月期の第三四半期累計(4月~12月の9ヶ月間)のグループ連結売上は前年比5.5億円増の54.8億円、営業利益は前年比1.2億円増の12.8億円となっています。また年間見通しについては、新型コロナウィルスによる影響のため予測困難であり、現時点では未定と決算短信にて発表されていました。
モーニングスター:2021年3月期 第3四半期決算短信
第三四半期までの9ヶ月間累計の損益はコロナ禍にもかかわらず売上、営業利益、経常利益いずれも過去最高を記録しています。下図、経常利益ベースになりますが四半期別に損益比較表がありましたのでみてみましょう。
第一四半期はさすがにコロナの影響を色濃く受け、前年比利益減となっていますが、第二四半期以降は回復し、いずれも前年比30%以上の利益増となっています。セグメント別の利益内訳はありませんでしたが、セグメント別売上は主要ビジネスごとに記載がありましたので下記にまとめてみました。
資産運用セミナー等を行っているメディア・ソリューションはコロナの影響をダイレクトに受けてか、前年比売上が大幅悪化となっています。一方でアセットマネジメント事業は運用金額の増加を背景に、前年比売上を伸ばしています。ここから、21年3月期の利益改善はアセットマネジメント事業の売上増による影響が大きいのではないかと想像されます。逆の見方をすると、売上増はアセットマネジメント事業次第、とも言えますね。
3. 財務状況について
続いて、モーニングスターの財務状況について分析してみます。
下図に過去5年間の貸借対照表データを並べます。なお、21年3月期の数字は2020年9月末時点の数字となります。
モーニングスターの貸借対照表をみて特徴的なのがその高い純資産比率です。2020年9月末時点で純資産比率88%と非常に高い値となっています。スポットで20年3月期末は他の年度と比べて流動負債が増え、純資産比率が相対的に悪化していますが、これは2019年2月に1社、2019年12月に2社の合計3社を子会社化するために短期借入を行った影響です。なお、この借入は2020年9月末時点で返済完了となっています。
個人のお金を扱う金融機関は自己資本を厚めに持っておくことが安心を与える要因の1つともなりえるのかもしれませんね。
続いて資産の部の内訳もみてみましょう。
2020年9月末時点で流動資産は59億円と総資産のうち44%と高い比率になっており、うち現預金は39億円です。次に非流動資産ですが、77億円のうち「のれん」が約20億円、投資有価証券が約34億円となっています。在庫や固定資産を持たないビジネスですので資産のうち現金や投資有価証券などの金融資産が総資産の大半を占める形となっています。なお、流動資産の割合ですが、18年3月期末に一度7割程度へ増加し、19年3月期末にまた5割ほどに戻っています。これは18年度中に投資有価証券を一部売却し現預金が増加したこと、さらに19年度中に子会社の新規取得によるのれん増(現預金減→流動資産減、のれん増→非流動資産増)と子会社の保有投資有価証券増によるものです。
モーニングスターの貸借対照表をみると、高い純資産比率、さらに保有金融資産の割合の高さと、健全な財務体質であることがみてとれますね。この財務体質が11期連続の増配へと繋がっているようです。引き続き財務体質を強化し、更なる配当金増配の期待がかかりますね。
4. 今後のビジネス展開について
最後に、モーニングスターの今後のビジネス展開について考察します。改めて、モーニングスターのビジネスセグメントを大別すると大きく下記3つになります。
・ファイナンシャルサービス事業:データ・ソリューション
・ファイナンシャルサービス事業:メディア・ソリューション
・アセットマネジメント事業
アセットマネジメント事業は子会社化/グループ会社化を進めることで運用金額を順調に増やしてきています。資産運用会社はその運用金額が信頼の1つの指標とも言えますので、今後も順調に増やしていく必要があります。その中で、老後2,000万円問題や各種サービスの台頭など最近は投資がますます注目されるようになってきています。こちらは運用金額増には追い風のニュースと考えており、暫くは順調に運用金額も増えていくのではないかと想像しています。
したがって、ポイントはファイナンシャルサービス事業になると考えます。
特に、データ・ソリューションの企業向け、個人向けアプリをいかに展開していけるか、が重要になると想像されます。企業向けタブレットアプリ「Wealth Advisors」の導入推移が決算発表資料内で説明されていました。
これまで順調に導入企業数を増やしており、売上増に貢献していることが分かります。しかし、国内金融機関には限りがあり、さらに人口減少や経営難等により統廃合や支店の削減が進んでいることから、売上はいずれ頭打ちとなってしまうことが想像されます。その中で売上を伸ばし続けるには新たなサービスを打ち出すこと、より質の高いサービスを提供することで単価を引き上げること、はたまた海外市場への進出、等が必要になると考えられます。決算発表の中でも新たなツールの開発について触れられていましたが、個人向けアプリを含めて、継続して顧客の求めるサービスを展開し続ける必要があると考えられます。
運用残高増を背景に安定して利益を出し続けているモーニングスターですが、今後も魅力的なサービスを展開し、継続的に安定した成長を見せていってほしいですね。そしてさらなる株主優待の増量を期待して。。目指せ仮想通貨で億り人!
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